7月19日(No.120)

★性同一性障害者の戸籍変更が可能に

今から4ヶ月前の2003年3月にこのメルマガで「性同一性障害」の問題を扱い(「真実一路」No.99)、「生物学上の男が『自分は女』と信じるから『女』と認めろなどという何の科学的根拠もない主張が罷り通るなら、『自分はナポレオン/クレオパトラの生まれ変わり』と信じる人達だって認めてやらないといけないのではありませんか?」と疑問を呈した。

とは言っても、昔は認められなかった「性転換手術」がこの国でも認められるようになった以上、証明書の「性」も変更しなかったら意味がないわけで、「性転換手術までやった人には認めてやるべきかなとも思う」と書いた。そして、戸籍上の性を変えて欲しいとの性同一性障害者の望みが国会議員を動かして、衆議院で彼らの性の変更を認める法案が通った。

ただし、それには条件があり、1)当人が20歳以上、2)独身、3)子供がいない、4)性転換手術済み。でないといけない。

この条件のうち、1)と3)は全くおかしいし、個人的には男→女の性転換は美人に限ってもらいたいと思う。まあ、それは冗談だが、世間には、性同一性障害について明らかに誤解があるので、ここではっきりさせておきたい。

「真実一路」No.99で、私は以下のように書いた。

性同一性障害の人達は「自分は男だけれと女/女だけれど男」との思い込みが激しいので、生物学的性のままでいるより、いわゆる「性転換手術」を受けさせて反対の性として暮らさせたほうが本人のためだろうから認めてやろうというだけの話。

すると、読者から次のようなメールが来た。

「性同一性症候群」は遺伝子配列の異常(デイスオーダー)で生じるもので、本人も親も教師を含む環境も全く責任がないことは科学的な常識になっていると思います。それが理解されたので「性同一性障害者」の人権問題が世界的に議論されているのです。議論の前に一寸インターネットでお調べになったらと思います。議論の訂正をされては如何と思います。

この読者は性同一性障害の原因を「遺伝子配列の異常」と考えるのであるが、もっと多くの人達(含性同一性障害者)は妊娠時に浴びた性ホルモンを原因に挙げる。

すなわち、胎児の時に、男の子が何らかの理由で女性ホルモンを大量に浴びた結果、その脳が「女性脳」になった/女の子が男性ホルモンを浴びて「男性脳」になった結果、性同一性障害が生じた。そういう風に彼らは考え、そういう風に主張するのである。

そして、彼らに同情的な世間一般の人達の中にも、この説を信じる人達が多いのであるが、それなら、事は簡単だ。

遺伝子配列の異常にしろ、男性脳/女性脳にしろ、物理的原因で性同一性障害が生じるなら、性同一性障害の判定は極めて簡単、かつ決定的なはず。すなわち、物理的/生物学的原因で障害が起きるのなら、20歳になるまで待つ必要など全くなく、出生の時点で全ての赤ちゃんに遺伝子、或いは男性脳/女性脳の判定を行い、「この子は男の子だけれど女の子」、「女の子だけれど男の子」と判定されたら、即、反対の性として育てればいいのだ。20歳まで待つ必要なんて全然ない。

私に言わせれば、男性脳/女性脳なんて、性同一性障害者やそのシンパ(含同情的医者達)の願望に過ぎない。そもそも、性同一性障害を認定する上で「2人以上の専門医の診断」が要件になっているが、この「専門医」には精神科医が想定されていて、顕微鏡を覗く遺伝子学者や生物学者は対象になっていない。すなわち、性同一性障害は、少なくとも現在は、「心理的なもの」とされているわけで、私としては、物理的/科学的/生物学的原因を挙げる人達に言いたいのだ。決定的な証拠を出して下さい/証明をして下さいと。

前述の読者のメールに私は以下のような返事を送った。

あなたが指摘したようなことは百も承知です。でも、それは「性同一性障害」に同情的な一部の人達の主張に過ぎず、「科学的な常識」になど全然なっていません。これ、医学界の常識。従って、「議論の訂正」などするつもりは毛頭ありません。

百歩譲って、「性同一性障害」が遺伝子配列の異常だとしましょう。そして、そういう異常な遺伝子配列によって「性同一性障害」が起きるのだとしたら、そのような遺伝子配列の人達全員が例外なく「性同一性障害」を発症するのでなければ、彼らが「反対の性になりたいと願うことは仕方がない」ということにはならないはず。そうではありませんか?

同じ遺伝子配列の異常を持ちながら、ある人間は性同一性障害、ある人間はそうでないとしたら、そんな「異常」は異常と言えない。

どうですか。あなたも遺伝子配列を調べてもらったら。そして、「異常」が発見されたとしたら、あなたは男を止めて女になるのですか?

「いえ、自分はそこまではしません」と言ったら、あなたはあなたの言ったことを自ら否定することになりませんか?